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スタッフコラム

2021.06.02

マンションの耐用年数はどれくらい?寿命との違いもあわせて解説|【vol.01】

みなさん、こんにちは。

中古住宅や中古マンションを多く扱っておりますと、お客様からよく聞かれるのが「この物件はあと何年持つんでしょうか?」
といったご質問です。

そこで今回はマンションの寿命について2回にわたり書いてみたいと思います。

まず、「寿命」と「耐用年数」があり、2つは厳密には異なるというお話からです。

 

□耐用年数とは?造りごとの耐用年数をご紹介

*法定耐用年数

新築、中古問わず、マンションや戸建て住宅など資産となるものには「耐用年数」が存在します。

この耐用年数とは、統一された基準で減価償却の計算を行うために、法律で規定された年数のことです。

減価償却とは、不動産や設備といったものを、購入した年の会計で経費として一度に計上してしまうのではなく、分割して1年ごとに計上していくことを言います。

耐用年数は、この減価償却の目安とするために法律で定められているものなので、それを過ぎるともう住めないというわけではありません。

耐用年数を「住むことに耐えられる年数」という勘違いがとても多くなっています。

この耐用年数は、マンションや戸建ての造りによって変わってきます。
以下は、建物の造りごとの耐用年数です。

 

・(鉄骨)鉄筋コンクリート造((SRC)RC) 47年
・レンガ造、石造、ブロック造 38年
・金属造(骨格材の厚さ4mm超) 34年
・金属造(骨格材の厚さ3~4mm) 27年
・木造、合成樹脂造 22年
・木造モルタル造 20年
・金属造(骨格材の厚さ3mm以下) 19年

 

 

例えば、耐用年数22年の木造住宅を、わかりやすい価格として建物価格3300万円で購入したとしましょう。
すると、3300万÷22=150万円の価値が毎年なくなっていくということになります。

このように、住宅などのいま現在の価値を把握する目安として使われるのが、「法定耐用年数」です。

 

*マンションの耐用年数

では、マンションの耐用年数はどれくらいでしょう?

一般的なマンションは、鉄筋コンクリート造(RC)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)になっています。

先述したように、RCやSRCの耐用年数は47年なので、ほとんどのマンションの耐用年数も47年となります。

ここで疑問としてしばしば問われるのが、「47年経ったマンションにはもう住まない方がいいのか?」ということです。

先ほどお伝えしたように、耐用年数=寿命と捉えている勘違いは多いのですが、、、

47年経ったら建て替えや引っ越しが必要ということは決してありません。

 

□耐用年数と何が違うの?マンションの寿命(耐久性)とは?

ほとんどのマンションの耐用年数は47年とご説明しましたが、築47年を過ぎても住み続けることは可能です

では、住み続けられなくなるマンションの寿命(耐久性)はどれくらいなのでしょうか。

鉄筋コンクリート造(RC)のマンションを対象に行われた調査について財務省が情報公開しているので、ここではその調査を元に見ていきましょう。


少し古いデータにはなりますが、1997年のデータでは、鉄筋コンクリート造のマンションの寿命は平均44年、2007年のデータでは、寿命の平均46年となっています。

これは、耐用年数の47年と限りなく近しい結果になっています、、、


しかし、日本で第二次世界大戦を終戦したのが1945年で、その後の高度経済成長期の第一次マンションブーム(1963年~)にマンションの多くが新築されたことを踏まえると、1997年時点でまだ34年しか経っていなかったことになります。
そのマンションの多くが、エレベーターがないなどの理由で建て替えが進んだため、その結果上記のような平均寿命の数値になったと考えられます。

これを踏まえると、一概には「耐用年数=寿命」とは言えません。


また、50年以上住み続けている木造戸建て住宅やマンションも数多く存在しています。
中にはメンテナンスをしっかりすれば100年以上持つものもあると言われています。


「耐用年数=寿命」の概念は、このような実情とも乖離があるのです。

まだ日本でのマンションの歴史が浅いことや、実情にもばらつきがあることから耐用年数とは違い「マンションの寿命は何年です」と断定はできません。
耐用年数は材料によって年数が変わりますが、寿命(耐久性)は材料よりもむしろメンテナンスによる影響が大きいと考えられています。


では、どのような要素がマンションの寿命(耐久性)に影響しているのでしょうか?



次回、vol.02では、「メンテナンス、構造、立地」の3つの要素から、マンションの寿命への影響をご紹介します。




参考までに、、、
日本初の民間分譲マンションは、1956年(昭和31年)竣工した「四谷コーポラス」で建て替えのため2017年に解体(築61年)されたようです。

https://www.homes.co.jp/cont/press/reform/reform_00557/

東京都が分譲したマンションとしては、日本最古のマンションとされる渋谷駅前の「宮益坂ビルディング」で築63年だったようです。
いずれのマンションも老朽化で住めないというよりは、デベロッパーが開発するために建て替えたということでしょう。


さて、山形で一番古い民間分譲マンションは?

ということで、山形市役所建築指導課に問合せましたが、もちろんすぐに回答は得られず、、、
気になるので、またいろいろと調べてみたいと思います。


いずれにしてもマンションの歴史が浅い、、、ということだけは言えそうですね。

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