2025年4月からは、すべての新築建築物に省エネルギー基準への適合が義務化されました。
建築確認申請において、省エネルギー性能の確認は欠かせない手続きとなり、建築関係者の皆様にとって大きな課題となっています。
省エネルギー基準への適合確認には、複雑な計算を必要とする「性能基準」と、簡便な確認方法である「仕様基準」の2つの方法があります。
本記事では、特に「仕様基準」に焦点を当て、その概要から具体的な活用方法、注意点までを解説します。
省エネルギー基準適合に向けたスムーズな設計・施工に役立つ情報を提供いたしますので、ぜひ最後までお読みください。
仕様基準の定義と概要
仕様基準とは、建築物の省エネルギー性能が省エネルギー基準に適合するかどうかを、複雑な計算を行うことなく簡易に判定できる方法です。
断熱材、開口部などの材料・設備の仕様が、基準で定められた要件を満たしているかどうかを確認することで、省エネルギー基準への適合性を判断します。
省エネルギー計算が不要なため、設計段階での作業負担を軽減し、迅速な適合確認を可能にします。
仕様基準と性能基準・誘導基準の違い
省エネルギー基準への適合確認には、仕様基準以外にも「性能基準」と「誘導基準」があります。
性能基準は、外皮性能(UA値、ηAC値)と一次エネルギー消費量(BEI)を計算によって評価する方法です。
精緻な計算が必要となるため、専門的な知識と時間が必要となります。
一方、仕様基準は計算が不要なため、性能基準に比べて簡便に適合性を確認できます。
誘導基準は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)相当の高水準の省エネルギー性能を目標とした基準であり、仕様基準と同様に簡便な確認方法が用いられます。
仕様基準は、省エネルギー基準への適合を最低限確認する場合に、誘導基準はZEHレベルを目指したい場合にそれぞれ用いられます。
2022年の改正による変更点
2022年の改正では、仕様基準の運用がより簡素化されました。
具体的には、開口部比率の計算が廃止され、断熱材と開口部の性能値のみで判断できるようになりました。
また、従来は鉄筋コンクリート造の共同住宅や木造の戸建て住宅を想定した基準でしたが、改正により木造の共同住宅や鉄筋コンクリート造の戸建て住宅にも対応できるようになりました。
さらに、ZEH水準を目指す住宅向けの「誘導仕様基準」が新設され、より高性能な住宅の設計・施工を促進する仕組みが導入されました。
これらの改正により、仕様基準はより多くの建築物タイプに対応し、使いやすくなりました。
具体的な適用範囲
仕様基準は、主に戸建て住宅や共同住宅などの住宅建築物に適用されます。
ただし、適用範囲は地域や建築物の構造・規模によって異なるため、事前に確認が必要です。
また、オフィスや工場などの非住宅建築物には、原則として適用されません。
非住宅建築物の省エネルギー基準適合確認には、性能基準を用いる必要があります。
判定の手順
仕様基準を活用するには、国土交通省が公開しているガイドブックとチェックリストを使用します。
ガイドブックには、各地域における基準値や、断熱材、開口部、設備機器などの仕様が詳細に記載されています。
チェックリストに、建築物の仕様を記入し、基準値と照合することで、適合性を判定します。
計算は不要ですが、断熱材の熱抵抗値(R値)や開口部の熱貫流率(U値)などの性能値を正しく入力することが重要です。
申請書類作成における留意点
仕様基準を用いて省エネルギー基準に適合したと判断した場合でも、建築確認申請には必要な書類を提出する必要があります。
申請書類の作成にあたっては、ガイドブックに記載されている注意事項を十分に理解し、必要事項を漏れなく記入することが重要です。
特に、仕様基準に記載されていない設備機器を使用する場合は、改めて性能計算を行う必要があります。
また、申請書類の様式や提出方法については、管轄の建築確認申請機関に確認することをお勧めします。
省エネ計算の負担軽減効果
仕様基準の最大のメリットは、複雑な省エネルギー計算が不要になることです。
これにより、設計事務所や施工業者にかかる負担を大幅に軽減し、設計期間の短縮やコスト削減につながります。
特に、多くの住宅を扱う企業にとっては、効率的な省エネルギー基準適合を実現する上で大きなメリットとなります。
仕様基準の簡便性
仕様基準は、チェックリストに必要事項を入力するだけで適合性を判断できるため、非常に簡便な方法です。
専門的な知識がなくても、比較的容易に利用できます。
設計段階で省エネルギー基準への適合性を早期に確認できるため、設計変更によるコスト増加を防ぐ効果も期待できます。
設計段階での効率化
仕様基準を用いることで、設計段階での省エネルギー対策が容易になります。
基準値を満たす材料や設備を選定するだけで済むため、設計作業の効率化に大きく貢献します。
また、早期に省エネルギー基準への適合性を確認できるため、設計変更による遅延を防ぎ、プロジェクト全体のスケジュール管理をスムーズに行うことができます。
本記事では、省エネ適判における仕様基準の概要、活用方法、注意点、メリットについて解説しました。
仕様基準は、省エネルギー計算の負担軽減、設計段階の効率化、迅速な適合確認に大きく貢献する簡便な方法です。
ただし、適用範囲や注意点などを理解した上で適切に活用することが重要です。
2025年4月からの省エネルギー基準適合義務化を前に、仕様基準を有効に活用し、スムーズな建築確認申請を進めていきましょう。
国土交通省のガイドブックなどを参考に、最新の情報を常に確認しながら、適切な運用を心がけてください。
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