
家を建てる土地が決まり、いよいよ設計という段階で「地盤改良工事が必要です」と言われることがあります。
安全な家を建てるために不可欠な工事ですが、提示された資料を見ると「柱状改良工法」や「鋼管杭工法」など、聞き慣れない言葉が並んでいるかもしれません。
なぜ土地によって工法が違うのか、それぞれにどのような違いがあるのか、疑問に思う方も多いでしょう。
今回は、代表的な地盤改良の工法の違いと、後悔しないために知っておきたい比較のポイントについてご紹介します。
目次
地盤調査の結果が工法選択の基本
地盤改良の工法は、家を建てる前に行う「地盤調査」の結果に基づいて決定されます。
この調査によって、その土地の地盤がどのくらい建物の重さに耐えられるか、軟弱な地盤がどのくらいの深さまで続いているかなどが明らかになります。
つまり、土地の個性や状態を正確に把握することが、最適な工法を選ぶための絶対的な前提条件となるのです。
軟弱地盤の深さが大きな違いを生む
工法選択における最も大きな判断基準の一つが、軟弱地盤の深さです。
例えば、地表から2m程度の浅い範囲だけが軟弱な場合は、その部分の土を固める工法が採用されます。
一方で、8mを超える深い層まで軟弱な地盤が続く場合は、その層を貫いて、さらに下にある硬い地盤(支持層)まで杭を打つような大掛かりな工法が必要になります。
建物の重さや形状も工法に影響する
どのような建物を建てるかも、工法に影響します。
当然ながら、軽量な木造住宅と、重厚な鉄筋コンクリート造の住宅では、地盤にかかる重さが全く異なります。
建物の重さや、その重さがどのように地盤に伝わるかを考慮し、安全に支えることができる工法が選ばれます。

表層改良工法:浅い軟弱地盤向けの工法
表層改良工法は、軟弱地盤が地表からおよそ2m程度までの浅い範囲に限られる場合に採用される工法です。
施工の手順としては、まず地面を掘削し、セメント系の固化材を現地の土に混ぜ合わせ、その後転圧機械などで締め固めて地盤の強度を高めます。
表層部分を改良するだけなので比較的工期が短く、施工費用も安く抑えられるのが大きな特徴です。
小規模な住宅や比較的軽量な建物に適しており、コストパフォーマンスの面でも優れています。
ただし、適用できる範囲が限られており、地盤が深くまで軟弱な場合には使用できないという制約もあります。
柱状改良工法:一般的な軟弱地盤向けの工法
柱状改良工法は、軟弱地盤が2mから8m程度の深さまで広がっている場合によく採用される、最も一般的な工法のひとつです。
施工方法は、専用の機械で地面に円筒状の穴を掘り、そこへセメント系の固化材を注入しながら土と混合し、地中に直径50cm程度の「人工的な柱(ソイルセメント柱)」を複数形成するというものです。
これらの柱が建物の基礎を支える役割を果たし、軟弱地盤でも安定した支持力を確保できます。
広い範囲の地盤条件に対応できるため、多くの戸建住宅で標準的に採用されていますが、将来的に土地を更地に戻す際には、地中に残ったソイルセメント柱が撤去の障害になる点には注意が必要です。
鋼管杭工法:深い軟弱地盤向けの工法
鋼管杭工法は、軟弱地盤が8m以上と深く続く場合や、建物の荷重が大きい場合に採用される工法です。
鋼鉄製の頑丈な杭を打ち込み、より深い位置にある「支持層」と呼ばれる硬い地盤まで到達させることで建物を確実に安定させます。
鋼管杭は工場で製造されるため品質が安定しており、施工精度も高いのが特徴です。
地震や液状化にも強く、大規模な建物や地盤条件の厳しい土地でも安心感を得られる工法といえます。
ただし、施工には専門の重機や技術が必要で、費用も3つの工法の中で最も高額になる傾向があります。
各工法のメリット・デメリットの違い
それぞれの地盤改良工法には明確なメリットとデメリットがあります。
表層改良工法は工期が短くコストを大きく抑えられる一方で、対応できるのは浅い軟弱地盤に限られます。
柱状改良工法は多くの住宅に適用可能で汎用性が高いものの、地中にコンクリート杭が残り、将来の土地利用や処分に制約が生じる可能性があります。
鋼管杭工法は深い軟弱地盤でも確実な支持力を得られ、信頼性が非常に高いですが、その分初期費用は最も高額になります。
したがって、地盤の状況や建物の規模、将来的な土地利用計画などを踏まえ、最適な工法を選ぶことが重要です。

費用と工期の違いを比較する
一般的に、費用と工期は、表層改良 < 柱状改良 < 鋼管杭 の順に高額・長期化する傾向があります。
地盤調査の結果、複数の工法が選択肢として提案された場合は、それぞれの見積もりとスケジュールを比較検討することが重要です。
将来の土地活用への影響の違い
地盤改良は、将来の土地活用にも影響を与える可能性があります。
土地売買では、基礎や杭などの残置物が『地中埋設物』として問題化し、契約内容や状況によっては売主に撤去費用や損害賠償が求められるケースがあります(特に更地渡しの場合)。
売買前に存在の有無や対応方針を確認しておくことが重要です。
地盤改良の工法は、地盤調査の結果に基づいて、土地の状態や建物の条件に合わせて選ばれます。
代表的な3つの工法には、それぞれ得意とする地盤の深さやメリット・デメリットに違いがあります。
提示された工法がなぜ最適なのかを理解し、費用だけでなく、将来的な土地活用への影響なども含めて比較検討することが大切です。
専門家とよく相談し、安心して長く住める家の土台を築きましょう。
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