
住宅ローンを利用してマイホームを購入した方にとって、「住宅ローン控除」は税金の負担を軽くしてくれる心強い制度です。
初年度はご自身で確定申告をする必要がありますが、会社員の方であれば2年目以降は勤務先の年末調整で手続きができます。
今回は、住宅ローン控除を受けるための2年目以降の年末調整の手続きについて、必要な書類や困ったときの対処法などを順を追ってご説明します。
住宅ローン控除を受けるための2年目以降の手続きは、初年度の確定申告と比べるとぐっとシンプルになります。
基本的には、送られてくる書類に必要事項を記入し、勤務先に提出するだけで完了します。
ここでは、そのおおまかな流れを見ていきましょう。
必要な書類は税務署と金融機関から届く2種類
年末調整で住宅ローン控除を申請するために必要な書類は、主に以下の2つです。
・給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書 ・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 「住宅借入金等特別控除申告書」は、住宅ローン控除を受ける最初の年に確定申告をした後、その年の10月頃に税務署から送られてきます。
このとき、控除を受けられる残りの年数分がまとめて送付されるのが特徴です。
例えば控除期間が13年なら、残り12年分の書類が一度に届くことになります。
毎年使う大切な書類ですので、紛失しないようにしっかりと保管しておきましょう。
一方、「年末残高等証明書」は、住宅ローンを組んでいる金融機関から毎年10月~11月頃に郵送で届きます。
これは、その年の12月末時点でのローン残高がいくらになるかを証明する書類です。
控除申告書に記入し勤務先へ提出する
手元に2種類の書類が揃ったら、いよいよ手続きの準備です。
まずは金融機関から届いた「年末残高等証明書」に記載されているローン残高を確認します。
次に、その金額を税務署から届いた「住宅借入金等特別控除申告書」に転記していきます。
このとき、必ず申告する年と一致する「令和〇年分」と書かれた用紙を使うように注意してください。
まとめて送られてくるため、違う年の用紙を使ってしまう間違いが起こりやすいポイントです。
申告書には記入する欄が多くて難しく感じるかもしれませんが、多くは申告書の下半分に印字されている情報や、残高証明書の内容を書き写す作業になります。
落ち着いて一つひとつ確認しながら進めましょう。
記入が完了したら、この申告書と金融機関から届いた「年末残高等証明書」の2点を、勤務先で配布される他の年末調整書類と一緒に提出すれば、手続きは完了です。

毎年行う手続きとはいえ、書類をなくしてしまったり、うっかり提出を忘れてしまったりすることもあるかもしれません。
そんな「困った!」という状況に陥ったときの対処法を知っておけば、いざというときも安心です。
書類紛失時は税務署や金融機関へ再発行を依頼する
もし必要な書類を紛失してしまった場合でも、再発行が可能ですので慌てる必要はありません。
税務署から送られてきた「住宅借入金等特別控除申告書」をなくした場合は、所轄の税務署に連絡して再発行の手続きを依頼してください。
また、金融機関から届く「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」をなくした場合は、ローンを組んでいる金融機関に問い合わせて再発行してもらいましょう。
なお、10月以降に繰り上げ返済などを行うと、すでに届いている残高証明書の金額と実際の残高がずれてしまうことがあります。
その場合も、金融機関に連絡して正しい金額の証明書を再発行してもらう必要がありますので覚えておきましょう。

住宅ローン控除の2年目以降の手続きは、会社員の方であれば勤務先の年末調整で行うことができます。
・税務署から届く「控除申告書」 ・金融機関から届く「残高証明書」 この2つの書類を用意し、申告書に必要事項を記入して勤務先に提出するというのが基本的な流れです。
一見すると複雑に思えるかもしれませんが、ポイントを押さえれば決して難しい手続きではありません。
万が一、書類を紛失したり手続きを忘れたりした場合でも、再発行や確定申告といった対処法があります。
この記事を参考に、落ち着いて手続きを進め、大切な税金の控除をしっかりと受けられるようにしてください。
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